オン・ザ・ロード

ON THE ROAD

2012年 フランス・ブラジル 139分

満足度:8/10
ディーンの最後に見せた表情。そこにすべてが詰まっていた気がする。
この映画の語り部であるサルが主人公のストーリーかと思っていたけど、
最後の表情を見て「はっ」とした。
これはディーンの物語だったのだと。

いや、主人公が誰かは問題ではない。

重厚なロード・ムービー。
ただただ重厚。
「青春」という甘酸っぱい匂いはしなかった。

ロード・ムービーということで、微妙な心情の変化を淡々と長い時間が過ぎることを想定して見ていたので、その重厚さはもう圧倒された(エンディングだな、と思ってからしばらく続いたあたりで、あ、ロード・ムービー、と思い出したほど。ちなみにそれはディーンの最後に見せた表情と同様のインパクト、サルがメキシコで涙を流すシーン)。

原作は、ジャック・ケルアックが1957年に発表した小説「路上/オン・ザ・ロード」。1950年代アメリカのビート・ジェネレーション文学の代表作で、ヒッピーの聖典となった名作とのこと。ケルアックが体験したことをほぼ正確に記録したもので、登場人物のほとんどに実在の人々をモデルにしたというのだからリアリティ溢れている。

起承転結を感じるより繰り返しの中で変化を感じる(それこそがロード・ムービーだろうけど)。それは、成長とともに生まれる、孤独と喪失に対峙した姿。

描かれた背景は今とはまるで違うけど、今でも変わらない心もあることを感じる。
それはとても大切なものな気もする。