KAGEROU

齋藤 智裕

文庫・新書

ドラマ

満足度:8/10
水嶋ヒロの処女作ということで、とても興味があった。

新刊で購入したのだが、開けてビックリ。
紙質は良いのだが(全然普通でいいのだけど)、余白は多い。行間が空きすぎ、字が大きい。
なるほど、実際のボリュームはそんなにないんだな、と確認して読み始める。

出始めの書体の初々しさは読んでる自分が恥ずかしくなるほどだったが、中盤以降は表現力が増し、違和感なかった。

サクッと読み終えた。

いやいやどうして。
それが合ってるかどうかは別として伝えたいことは伝わってきた。
ただその手段が強引なところがあったとはいえ、うまく伝えるのであれば、あの量では全然足りないだろう。
そしてメッセージ性の壮大さから、やはりうまく伝えるのであれば、あの量では全然足りない。

とはいえ、きっと著者的に根本にあるメッセージはほとんど出し切ったんじゃないだろうか。
これからはメッセージを分割して、ピンポイントにスポットを当てた作品を期待したい。
詰まったときは、メッセージ性なしでもいいと思う。
ただ書き続けてほしい。

類い稀な才能をたくさん持ち合わせているのに、それを周りの評価で潰されないでほしく、相当な上から視点での感想でした。