アルケミスト

夢を旅した少年

O Alquimista

パウロ・コエーリョ

文庫・新書

考えさせられる

満足度:8/10
世界1000万部の大ベストセラーとのこと。
数年前に買ったきりで、思い出したように読んだこの本がそんな大作だったとは。

何となく自己啓発に近い印象で、後半から「宇宙」というワードが出てきたときは若かりし頃なら素直に受け入れた世界観も、40歳を越えた今ではちょっと警戒しながら作品にのめり込めない、いや、のめり込まないようにしながら読み終えた。

人生これからだと思える人の後押しをしてくれることは間違いない。ただ、夢に生きることを諦めようとした人には主人公の生き様は夢を追っていた頃の姿に相重なって無情に痛みだけが突き刺さる。

41歳になって今更ながら人生に迷い、迷うこと自体に社会不適合者のレッテルを貼られてると被害妄想して、それが生きることへの罪悪感となっている。
それでもこの本は夢を追えという。
考えることが生きることだという。
そう思うし、そうしたいと思っている。
でも、それでは生きていけないのが現実だ。

ぼくはどうしたらいい?

正直に言えば、そりゃ主人公の少年のように生きたい。

この本は著者が41歳の頃に書いたそうだ。
え?!
実はぼくはつい先週41歳になったばかり。
この出会いに驚きを隠せない。

30代終わりに取り戻した心を最近また失いそうになっていたけど、改めて心を手放したくないと思った。
でも海のように広かったかつての心も今やバケツのようにちっちゃくなってスカスカになっているのは認めたくないが知っている。
それでもいい。心に問いかけてみよう。

何ができるか、ではなく、何がしたいか。
夢を見たいのか、夢を叶えたいのか。