空気人形

2009年 日本 116分

ドラマ

不思議な感覚, 考えさせられる

満足度:8/10
監督・脚本・編集は、是枝裕和。

「のぞみ」と名づけられていた空気人形が心を持って世界に触れる話し。
現実には絶対にありえない設定だが、そこは全く重要ではなくどうでもいい。
それよりも作品の世界観がなんともいえない。
弱さゆえの美しさ、みたいな感じだろうか。

ありえない設定のはずが、誰にでも抱える虚無感を空気人形に重ねてしまうときがあったり、どこか現実とリンクしたりもする。
「心をもつことは切ないこと」
確かにその通りだと思う。

中盤で、じいさんが詩をのぞみに語るシーンがある(のぞみのナレーションで語られる)。
この詩は、吉野弘の詩集「風が吹くと」1977年に含まれる、生命は、という作品そのものらしいのだが、まさにこの作品を代弁しているような気がした。すこしだけ抽出します。
「生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい。(中略)生命はその中に欠如を抱き、それを他者から満たしてもらうのだ。(後略)」

そんなの分かってる。分かってるけど、っていう感じ。でも、それが心をもった空気人形が発する言葉だから妙にすんなりと聞き入れて、切なくなる。

あ、あと最後の最後のセリフが、これはこれでメッセージ性があるようにも感じて「キレイって何だろう」と考えさせられた。