桐島、部活やめるってよ

2012年 日本 103分

ドラマ

満足度:8/10
タイトルがいい!
一度聞いたら忘れないし、誰かに言いたくなる。

ただ作品を見るということに関しては、40歳の自分にとって抵抗があった。それは学園作品だからだ。学生服を見るだけで「ちょっと違うな」と距離を置いてしまう。現代の若者の考えを代弁しているかもしれないと思えば、それはそれで興味はある。
でも作品として見るときには、登場人物に感情移入できないんだろうな、という思い込みはある。それは学生時代が過去の思い出になっているからで、そのときの感情をまざまざとよみがえらせて照らしたくないということもあった。
致命的なのは、思わず感化されて学生に戻りたいと本気で思ってしまうことだ。そんなときのノスタルジアといったら、現状がハッピーなときならいいが、うまくいっていないときだったら数日途方に暮れてしまうかもしれない。

そんなグダグダは置いておいて、とりあえず見た。

ものすごく映画好きな人たちが作ったんだろうな、と感じた。
時間軸の使い方だとか、桐島くんの扱い方とか、エンディングとか、どこかで観た作風が寄せ集まった感じで真新しさはないが、普通とは違う作品。
こういう作品こそインディペンデントにふさわしいと思う。

ものすごく客観的に描かれることで、登場人物の誰かに感情移入することがなかったのは、むしろよかった。
この無機質な感じこそ現代なのかな、と思うのは深読みしすぎだろうか。
「部活辞めるってよ」と言われても昔なら「桐島くん」を思ってのストーリーが展開されるが(それを想像していて拒否反応が出ていた)、あくまで「桐島くん」の存在は自分対であるところが世代を超えて、現代を表現していると思う。

結局大人視点なのか、と思いきや、原作は同名小説の映画化で著者が20歳の頃に書いたものだというのだから、一気にリアル感が増す。

「関心」と「無関心」の境界。
「個」と「他人」の関わり。

このジレンマはずっと感じている。
それは人好きなくせに人見知りで、人恋しいくせに一人でいることを好む、そんな矛盾を抱えているからだと自覚しているが、このジレンマを共有できる若者がいるのなら、まだまだ世代をまたいでいけるかもしれない。