カニバル

CANNIBAL

2013年 スペイン・ルーマニア・ロシア・フランス 117分

満足度:8/10
異常な殺人鬼の純愛、とあるがこれに重きを置いて見てしまうと期待はずれになる気がする。
表面で語ることより、もっと深いところにテーマはある。
監督はこの映画を次のように語っている。
「悪と愛の狭間を弁証する映画なのだ」
そのとおりだった。さらにこう続ける。
「愛はどの程度過去を変えられるのか?愛はどの程度過去を償えるのか?」
「もし愛が無力だとわかったら、そのあと私たちには何が残るのか?」
「悪の罪を購うことを可能にする唯一のものは、愛を越えた何か、’許し’のようなものでないか?」

取り返しのつかないことは嫌いだ。
ただ取り返しのつかないことはそのときが来るまで気づくことはない。
主人公にとっては無意識な悪、観る側としては圧倒的な悪、が鮮明に強烈に描かれ、愛は安く見えたが、それは表面をテーマにしているわけではないからだと、監督の言葉を聞いて深く納得した。