コンビニ人間

村田沙耶香

文庫・新書

ドラマ

煮え切らない

満足度:6/10
電車で片道1時間半の小旅の折、行き帰りで読み終えることができるほど読みやすい。
舞台もコンビニということで、イメージしながら読み進めることができる。

コンビニでバイトしたことある人には「いた、いた」と共鳴できる部分が多いかも。
社会人を経験せずにフリーターしている人には「わかる、わかる」と共感できる気がした。

自分の場合、大学卒業後、周囲が会社員に変身していく中、フリーターを選択した者として、主人公の古倉に当時の自分と重なったりした。
だがしかし、自分にとってはそれがなぜかイライラした。古倉と中盤から登場する白羽が疎外感と向き合う姿、もうこれが自分の合わせ鏡のようで許せなかった。自分に正直に生きようとした結果だったが、今ならそこで失った「普通」の重みをよく理解しているからかもしれない。

社会人を経験する前の若き頃であったら、自分を鼓舞させる作品になっていたと思う。
社会人を続けていたら、あーわかる、わかると共鳴できる作品になっていたと思う。

「普通ってなに?ありのままでいいじゃん」って思い続けてきたけど、ここ数年そうは思わなくなったからだろう。

それにしてもフリーターと会社員の社会的ポジション(地位・収入・偏見)が一緒だったらいいのにと思う。
人生は短い。

もはや本の感想ではなくなってしまってきたので、このへんで。